奥井紫麻さんが練習しに来てくれました。

24.08.28INFORMATION

紫麻さんのご紹介

2004年5月生まれ。
8歳でウラディミール・ホロヴィッツ記念青少年国際ピアノコンクール”Horowitz-debut”にて複数の部門で第1位及びウクライナ文化省より特別賞を受賞。同年ウクライナ国立歌劇場にて開催されたSberbank Debut フェスティバルのグランド・オープニングコンサートに招待されデニス・マツーエフと共に出演し、ミコラ・ジャジューラ指揮ウクライナ国立交響楽団とハイドンのピアノ協奏曲を演奏。
9歳でマンチェスター国際協奏曲コンクール(18歳以下の部)第1位、ロシア国営テレビ局文化チャンネル主催”若い音楽家のためのTV コンテスト – くるみ割り人形”にてピアノ部門第2位(銀のくるみ割り人形)及び全部門総合TV 視聴者賞(聴衆賞)を受賞。このコンクールはロシアの子供向けコンクールの中で最も有名で、過去の受賞者にはダニール・トリフォノフ、ダニエル・ロザコーヴィチらが含まれる。
10歳で第1回モスクワ・ウラディミール・クライネフ国際ピアノコンクール及び第3回ピアニストとヴァイオリニストのための国際コンクール”Citta di Barlassina”(ミラノ)ジュニア部門優勝。同年モスクワで開催された国際音楽フェスティバル”Vladimir Spivakov invites…”に招かれ、ウラディミール・スピヴァコフ指揮モスクワ・ヴィルトージ室内管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第21番を演奏。スイスの音楽祭ArtDialog にダニエル・ロザコーヴィチと共に招かれリサイタル。その他、アルメニアの音楽祭やイタリア・イギリスでのリサイタル等で演奏。
11歳で最年少受賞したグランド・ピアノ・コンペティション(モスクワ)での演奏をMedici.tv で聴いたエフゲニー・キーシンに、インタビューにて「この年齢でこれほどまでに音楽を理解して感じる事ができ、楽器を自由に操ることができるとは、ただただ驚いた。」と評された。
12歳でマリインスキー劇場プリモルスキー・ステージ(ウラジオストク)にてワレリー・ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団とグリーグのピアノ協奏曲を演奏し、同年パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンにてサン=サーンスの動物の謝肉祭(2台ピアノ+室内楽オーケストラ版)及びソロを演奏。翌年、故エレーナ・アシュケナージの病気による帰国に伴いモスクワ音楽院付属中央音楽学校に編入し、その後グネーシン特別音楽学校へ編入し、ダニール・トリフォノフやコンスタンチン・リフシッツらを育てたタチアナ・ゼリクマンに師事。
13歳でマリインスキー劇場にて開催された第6回サンクト・ペテルブルグ国際文化フォーラムのグランド・オープニングコンサートにデニス・マツーエフと共に出演。このコンサートは翌年の“日本におけるロシア年”も記念したもので、コンサートにはロシア大統領及び宮田文化庁⾧官等が出席。
14歳でマリインスキー国際ピアノ・フェスティバル (サンクトペテルブルク)にて、マリインスキー劇場管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏。同年、モスクワのクレムリン横に出来た新しいコンサートホール、ザリャジェ・コンサートホールのグランド・オープニング・セレモニーにロシア大統領や首相、その他将来有望なロシアの若手音楽家らと共に招待され、以来ロシア・ナショナル管弦楽団等と共にピアノ協奏曲のソリストとして同ホールにて現在まで度々演奏している。15歳でモスクワ・ヴィルトージ室内管弦楽団の創立20周年記念ヨーロッパツアーのピアノ協奏曲のソリストに抜擢され、チューリヒ、ブリュッセル、ベルリン、ハンブルグ、デュッセルドルフ、ウィズバーデン、プラハ、モナコ、ウィーンを周り、ベルリンフィルハーモニー(大ホール)、ウィーン楽友協会(黄金の間)、エルプ・フィルハーモニー(大ホール)、スメタナホールを始めとする各地の著名ホールにデビュー。内、ドイツ公演は日本でも以前開催されたロシア文化省主催の”Russian Seasons (ロシアの季節)”文化フェスティバルのドイツ版の一環であり、ソリストに外国人を起用する事はまれ。同年ファジル・サイの代役としてモスクワ国際音楽の家にてモーツアルトのピアノ協奏曲を演奏。また、国立スクリャービン記念博物館により2019年度スクリャービン奨学生に選出される。
16歳でモスクワのボリショイ劇場で行われた第3回プロフェッショナル音楽賞”BraVo”にて”The Most Popular Classical Artist from the Partner Country”を受賞し、ボリショイ劇場のヒストリカル・ステージ(大ホール)にて演奏。同年、ラフマニノフ生誕150周年を記念してロシア文化省により製作されたラフマニノフについてのドキュメンタリー・フィルムに、ニコライ・ルガンスキーや上月前駐ロシア日本大使と共に出演し演奏を収録。フィルムは2023年に公開された。翌年、国立トレチャコフ美術館ヴルーベリの間にてリサイタル。
これまでにモスクワの著名コンサートホールの1つ、モスクワ国際音楽の家の開館20周年記念コンサートやクリスマス・コンサート、ロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団の創立20周年コンサート・ツアー等主要なコンサートにピアノ協奏曲のソリストとして度々出演し、その演奏はロシア国営テレビ文化チャンネルやラジオ・オルフェイで放送されている。指揮者でヴァイオリニストのウラディミール・スピヴァコフとは10歳の頃より既にロシア、イタリア、イスラエル、オーストリア、スイス、スペイン、チェコ、ドイツ、ベラルーシ、ベルギー、モナコ等で20回以上共演を重ねている。その他、モスクワ音楽院大ホール、チャイコフスキー・コンサートホール、プーシキン美術館、マドリード国立音楽堂大ホール、アスタナ・オペラや国際音楽フェスティバル「バイカルのスター達」等様々な場で演奏。
2023年にはカザンで開催されたラフマニノフ・フェスティバル”White Lilac”にて、ウラディーミル・フェドセーエフ指揮、タタルスタン国立交響楽団とラフマニノフのピアノ協奏曲第1番を演奏し、その他ロシア各地にてショパンやモーツアルトのピアノ協奏曲を演奏。同年グネーシン特別音楽学校を国家試験を経て赤の卒業証書と共に首席及び特別表彰を受けて卒業、ジュネーヴ高等音楽院に入学しネルソン・ゲルナーに、引き続きグネーシン音楽大学にてタチアナ・ゼリクマンに師事。
同年夏にはコモ湖国際ピアノアカデミーの創始者の1人であるテオ・リーベン主催のテオ&ペトラ・リーベン国際ピアノ財団の奨学生として2か月間ウィーンでのマスタークラスに招待され、エリソ・ヴィルサラーゼやアンドレアス・シュタイアー、コンスタンチン・リフシッツらのレッスンを受講。
2024年にはジュネーヴのアテナエウム宮殿にて開催されたコンサート、”ネルソン・ゲルナーと生徒たち”にネルソン・ゲルナーと共に出演、ノヴォシビルスクではショパンのピアノ協奏曲第1番を2日間に渡り演奏し、モスクワのフィルハーモニーやイタリアのFAZIOLI本社でのコンサート、ドイツでのリサイタル等が予定されている。
また、2台ピアノにもグネーシン特別音楽学校在籍時より積極的に取り組み、既にラフマニノフの主要作品を含む多くのレパートリーを持ち、昨年ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバルにデビューした同門のフセヴォロド・ザヴィードフと共にロシア国内外で演奏している。次のシーズンではストラヴィンスキーの春の祭典(2台ピアノ版)をリサイタルで演奏予定。
モスクワでは通常のピアノ協奏曲だけではなく、バッハの2台ピアノや3台ピアノのためのピアノ協奏曲等、様々なプロジェクトでも演奏している。

日本で初めてのFAZIOLIコラボ

9/15(日)に豊洲シビックホール(こちらは当スタジオと同じくFAZIOLI-F278が置いてあります)にて開かれるリサイタルの練習に来てくれました。紫麻さんは大人びた表情のアー写を多く見かけますが、実際にお会いすると笑顔がとても可愛らしく、まだあどけなさを感じます。でも演奏が始まるとその印象は一変。天に召されるかのような甘美に歌う音から、時には獰猛な野獣を想わせる音まで。深く奥行きのある表現力、そして圧倒的な技巧に聴き入ること2時間。私の人生で感じた最短の2時間です。11度が届く可憐で恵まれた手は、強靭さと柔軟性によって繊細なコントロールを可能にしているのだと思います。そんな紫麻さんはFAZIOLIのセンシティブなタッチと音色をとても気に入っています。海外ではFAZIOLIで演奏したことがありますが、今回日本では初めてのFAZIOLI×紫麻さんコラボです。12歳でゲルギエフと共演したり、キーシンを驚愕させたり。来年のショパンコンクール出場が注目される紫麻さん。普段はスイスとロシアを行き来していて、日本で演奏を聴ける機会はなかなかありません。チケットは若干数ですが残りがあるようなので、この機会に是非才能溢れる紫麻さんの演奏を聴きに行きませんか? 担当/加藤

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